血管腫と血管奇形の分類
I. 血管腫 (hemangioma)
II. 血管奇形 (vascular malformation)
血流の速い病変 (high flow malformation)
動静脈奇形
動静脈ろう(瘻)
血流の遅い病変(low flow malformation)
静脈性血管奇形
毛細血管性血管奇形
リンパ管性血管奇形
上記の混合病変
「血管腫」は、子供の間に消えていくため、「幼児の血管腫:infantile hemangioma」と呼ぶほうが分かりやすい.
「単純性血管腫」とは、本来皮膚の真皮のレベルにある毛細血管や細静脈を主体とする血管奇形で、血管腫と呼ぶべきではない.
「苺状血管腫:strawberry mark」は、「幼児の血管腫:infantile hemangioma」の一つであり5-8歳までに消えていく.
「海綿状血管腫」には、多くの種類の病変に対しての呼称であり、中には「本来の血管腫」「静脈性血管奇形」などが含まれ、場合によっては「動静脈奇形」なども含まれて呼ばれていることが多い.
石灰化(静脈石)を含み、体位などで大きく大きさを変化させる病変は、「静脈性血管奇形」である.臨床的には、圧迫でへこむ(collapsible)かどうかは重要で、硬化療法に適するか、そうでないかの判断に使われる.
カテーテルを使う血管撮影(動脈撮影)が必要なのは、動静脈奇形、動静脈ろう(瘻)だけであり、それ以外の病変には必要はなく、適応もない.この判断をせずに(出来ずに)、どんな場合も、血管撮影をするというのは、大きな間違いである.血管撮影には、2%程度の合併症の可能性がある.