緊急治療を要する血管腫

Alerming hemangioma

 

 

血管腫(幼児の血管腫:infantile hemangioma)は、8歳頃までに多くは、消えていきます.つまり、基本的に治療を必要としません.小さい頃は、本人はわかりませんから、気にしませんが、御両親は、ビックリして、どうなるのだろうか、早く治療をしなければと、考えるのは当然です.しかし、自然経過をよく理解してもらい、じっくり待つのが治療であることを分かってもらいます.

 

 

ただ、中には、治療を急ぐ血管腫があります.それは、気道(鼻、咽頭、喉頭)、目、耳などを塞ぐような血管腫や病変の中で、凝固系が異常に亢進し、血小板が消費され出血傾向が出た場合(人名を取ってKasabach-Merritt症候群と言います)、潰瘍が出来て出血している場合、血流が多すぎて心不全になっている場合、あまりにも大きな病変などで、これらに対しては、急いで治療を行います.

 

 

治療は、過去には、たくさんの種類が試されてきたのですが、今は、まずはステロイドの全身投与、局所投与、インターフェロンの投与などを行い、それでも効果がなければ、塞栓術が適応になります.昔、行なっていた、放射線治療は、本来は良性である血管腫に、行うことは控えるべきです.(適応はありません).これらの治療も万能ではなく、副作用もあるので、上手く組み合わせながら治療を行います.小児科(小児内科・小児血液内科)、形成外科などとの連携が重要です.



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