予防接種と血管内手術



予防接種と外科手術に関したエビデンスは乏しく、より侵襲は少ない血管内手術と予防接種の関連のエビデンスは全くありません.以前より手術により免疫機能に影響したり(immunomodulation)、予防接種の安全性や効果にも影響する可能性が指摘されています.


予防接種により生体内に抗体産生されるため免疫機能が変調します.そのため種々の副作用が起こる可能性があります.生ワクチンでは、接種後1-2週間に生じることが多く、3-4週まで認められます.不活化ワクチンでは、接種後2日以内に現れます.副作用には、発熱、腫脹、発疹、疼痛、硬結などがあり、アナフィラキシーや痙攣などの重篤なものも含まれます.


予防接種後の全身麻酔まで期間は、従来、生ワクチンでは、3-4週間、不活化ワクチンでは、2週間必要とされましたが、可能であれば生ワクチンでは、14-21日、不活化ワクチンでは、2日以上あけることが望ましいとされています.しかし健康な子供に関しては、予定手術における全身麻酔の影響は小さく、一過性(48時間程度)であるので、予防接種を受けたからといって予定手術の延期までは不要とする考えもあるようです.


全身麻酔後の予防接種に関してもエビデンスはなく、従来、小手術は2週間、大手術は4週間あける方が良いとされてきましたが、1週間で十分ともされます.


生ワクチンlive attenuated viral vaccines):ポリオ、麻疹、風疹、麻疹風疹混合(MRワクチン)、BCG、流行性耳下腺炎、水痘


不活化ワクチンinactivated vaccines):三種混合ワクチン(ジフテリア、百日咳、破傷風)、インフルエンザ、日本脳炎、B型肝炎、肺炎球菌、インフルエンザ菌b型 (Hib)


参考文献


香川哲郎:予防接種、感染症と小児の麻酔.Anesthesia 21 Century 10:17-20, 2008


Siebert JN, Posfay-Barbe KM, Habre W, et al: Influence of anesthesia on immune responses and its effect on vaccination in children: review of evidence. Pediatr Anesth 17:410-420, 2007



感染症の潜伏期と手術



2012.10.31記載、2015.1.20 追記