肺動静脈瘻とコントラスト心臓エコー検査
肺動静脈瘻とコントラスト心臓エコー検査
肺の動静脈瘻の有無の検査で、もっとも感受性が高いのが、bubbleを使った心臓の超音波検査(コントラスト心エコー検査)です.肺の動静脈瘻があれば、この コントラスト心エコー検査 は 100%陽性になります.CTと異なり、被曝もなく、安価なので、まずこの超音波検査を行なう施設も多くあります.bubbleの程度を、3または4段階に分けて、そのbubbleの数が多いほど(Grade 3または4)、シャントの量が多いとされています.
ここで問題なのは、CTで肺の動静脈瘻がない方にも、かなりこの コントラスト心エコー検査 が陽性になることです.半数以上の患者さんが、echo陽性、CT陰性になります.この場合、CTでも分からない小さな動静脈瘻(micro-AVM)があるという考えもあるのですが、全く健康な人の コントラスト心エコー検査 でも少なからず(8%程度)が、陽性になることです.
従って、 コントラスト心エコー検査 では、混乱するだけなので、確実に肺の動静脈瘻の有無が判るCT検査を、第1に考える施設も多いです.私は、そうしています.
従って、 コントラスト心エコー検査 が陽性であっても、肺の動静脈瘻があるとは、断定できず、HHTの診断基準にも、この所見は加味されません.あくまでもCTまたは血管撮影で、肺の動静脈瘻が検出されたときだけ、加味されます.
参考文献
1. Gazzaniga P, Buscarini E, Leandro G, et al: Contrast echocardiography for pulmonary arteriovenous malformations screening: does any bubble matter? Eur J Echocardiogr 10:513-518, 2009
2. Gent MWF, Post MC, Snijder RJ, et al: Grading of pulmonary right-to-left shunt with transthoracic contrast echocardiography. Does it predict the indication for embolotherapy? Chest 135:1288-1292, 2009
2013.8.7記載