ヘリでやってきたミーちゃん
3月9日に搬送が予定されましたが、天候が悪く、翌日に延期され、翌日も信州は雪で延期になりました.3月11日には、天気がよくなり、大阪は曇りで、私の病院の屋上のヘリポートは無風でした.1993年の開院当初から私は今の病院にいますが、屋上に登ったのは初めてでした.信州から、直線距離 280 kmを1時間40分をかけ、ドクターヘリで大阪に無事、お昼過ぎに到着しました.(右の写真).(東京駅と大阪駅の直線距離は、404 kmです).お父様は、3月8日からずっと大阪に来ておられたとのことを当日知りました.医師が二人付き添って搬送されたミーちゃんは、たくさんの点滴の管や気管チューブ、胃管が入っていました.人工呼吸をされながら到着したミーちゃんは見るからに重症でした.(下の写真は、ヘリポート下の19階にて).お母様も当日、信州から電車で来られました.
この脳硬膜静脈洞奇形という病気は、国内では殆ど治療されたことはないと思います.私はミーちゃんが5人目の患者さんでした.最初の患者さんは今では中学生になりました.毎回、それまでの患者さんの治療での経験(うまく行かなかったことも含め)を、次の患者さんに生かせるように考えてきました.今回も、いろんなことを学びましたが、中でも、重症の患者さんでも意外とドクターヘリで遠方から搬送することが可能なことに驚きました.
お母様からメールをいただきました.
小宮山先生
信州に戻り、主治医の先生にお会いしました。
娘を見るなり、満面の笑顔で迎えていただきました。
その後、NICUへも寄りましたが、看護師さんにどういう手術をしたのかと娘の頭をみながら質問されたり、電車で帰ってきたことを知り、驚かれたりしました。
皆さん、当然 NICUに戻ってくると思っていたようでした。
ほかの先生も娘をみて、鳥肌が立ったとおっしゃっていて、誰もこんなに回復して帰ってくるとは思わなかったのだと改めて感じました。
誰も想像できなかった、奇跡の生還ですから。。。
毎日ミルクもよくのみ、病院で量ったら3600グラムでした。
主人の両親や家族にも娘をみせることができ、皆喜んでくれました。
また、実家の両親がうれしそうに沐浴させている姿に、先生のおかげで親孝行できたと思いました。
出産後の暗い毎日がうそのようです
あのころは考えられなかった、管(くだ)のない娘の写真をたくさん撮ってあげたいです。
親子3人で信州の桜を楽しみたいと思います。
以上 2010/4/11
もうすぐ4歳になるミーちゃんですが、主治医の先生が、発達の検査をしたところ運動や言語などまったく発達は、正常でした.ヘリで来てから、3年半が経過していますが、すくすく成長しているようです.将来、どんな女の子、どんな女性になるのでしょうか?楽しみです.
以上 2013.10.28
2016.1.18にお母様から、メールをいただきました.
今年は、保育園を卒園し、小学校に入学です.ピアノの発表会、運動会のかけっこと、元気にがんぱっているようです.ヘリで搬送してから、確かに6年です.すくすく育っているようで、嬉しいですね.
2017 2 1
7歳になったみーちゃんは、ますます元気だそうです.
2010.4.6記載、2010.4.13、2013.10.28、2016.1.19、2017.2.1 追記