毛細血管奇形
毛細血管奇形には、port-wine stainと毛細血管拡張 telangiectasiaがあります.多くは孤発性ですが、時に症候性で、Sturge-Weber syndrome, Cobb syndrome, Klippel-Trenaunay syndrome, CM-AVMなどに合併します.孤発性のCMやSturge-Weber syndromeでは、病変におけるGNAQ遺伝子の単一ヌクレオチドの変異 (c.548G→A, p.Arg183Glin)が報告されています [Shirley 2013, Nakashima 2014].毛細血管奇形に血管撮影をする必要はないですが、他の疾患との合併例で行なうことがあります.毛細血管を主体とするstain が認められますが、一部early venous fillingを認めることもあり、AVMとの鑑別が必要です.レーザー治療が適応である.顔面病変に対しては、早期のレーザー治療が勧められます.関連部位の骨成分のhypertrophyを伴うことがあります.表皮の平坦な病変が多いですが、ボリュームのある病変もあり、それが時間とともに厚くなっていく場合があります.病変の体積を減らす目的の手術が必要になることがあります.遺伝性出血性毛細血管拡張症で認められる毛細血管拡張は、舌、口唇、顔面、指、鼻粘膜、消化管粘膜などに認められ、鼻粘膜や消化管粘膜からは容易に出血しますが、皮膚からも出血することがあります.易出血性は、毛細血管拡張を覆う粘膜や皮膚の出血に対する抵抗性に依存します.port-wine stainと表現する場合、capillary malformationとvenular malformationが該当します.
文献
Shirley MD, Tang H, Gallione CJ, et al: Sturge-Weber syndrome and port-wine stains caused by somatic mutation in GNAQ. NEJM 368:1971-1979, 2013
Nakashima M, Miyajima M, Sugano H, et al: The somatic GNAQ mutation c.548G>A (p.R183Q) is consistently found in Sturge-Weber syndrome. J Hum Genet 2014; doi:10.1038/jhg.2014.95
2014.11.25 記