Arterial Tortuosity Syndrome (ATS), 動脈蛇行症候群



動脈蛇行症候群 (ATS) が正確な和訳か分かりませんが、直訳です.ATSは、稀な結合組織疾患で、大径や中径の動脈 large and medium arteriesの蛇行 tortuosity、拡張、延長、狭窄、動脈瘤などを特徴とする心血管系の奇形で、小児期に認められることが多い疾患です.大動脈、冠動脈、肺動脈にそのような変化が、認められることが多いのですが、腸間膜動脈や末梢動脈、腎動脈、脳動脈にも認められることがあります.伸び易い皮膚 stretchable skin、弛緩した関節 joint laxity、クモ指症 arachnodactyly、口蓋高位high arched palate、少顎症 micrognathia、かぎ鼻, beaked nose、ヘルニア(ソケイ部、横隔膜)、腸管の延長、円錐角膜 keratoconusなども認められることがあります.男女比は、2:1とされています.


ATSは、Ehlers-Danlos症候群やMalfan症候群、Loeys-Dietz症候群のような結合織疾患に似た症状を呈しますが、高度の動脈蛇行は、ATSに多いです.遺伝子検査で、第20染色体の長腕にあるSLC2A10に特徴的な遺伝子変異(ホモ変異)が認められます.SLC2A10は、glucose transporter (GLUT)-10をencodeしており、TGF-βを上方制御 upregulateしており、常染色体劣勢遺伝します.


Subramanyan R, Sridhar A, Cherian K: Arterial tortuosity syndrome. Pediatr Cardiol 30:555-556, 2009


Naunheim MR, Walcott BP, Nahed BV, et al: Arterial tortuosity syndrome with multiple intracranial aneurysms. Arch Neurol 68:369-371, 2011


2012.5.9 記載