29回日本脳神経外科コングレス

2009年5月15-17日に第29回日本脳神経外科コングレス が、大阪であります


この会は、若手の脳神経外科医が幅広い分野の(といっても脳神経外科内での)知識を得るために行なわれている会です.私は、一緒にある(多分、統合された)23回微小脳神経外科解剖セミナーのいう会の「手術訓練としての外科解剖実習」といタイトルのセッションの中で、さらに「手術合併症回避の観点から学びなおす微小外科解剖」のセッションで、以下の講演をします.


この後者の会は、開頭手術を前提とした解剖の話が今まで主でしたが、私は脳血管の成り立ち・吻合などを発生の知識も交えて話をする予定です.


そのなかで、系統発生の話があり、イヌの脳血管とヒトの脳血管を比べるくだりがあるのですが、ヒトのある種の血管異常(carotid rete:頚動脈が網の様になる疾患)が、イヌの正常脳血管構築であることなど、興味深いスライドも出す予定です.



「血管内治療の合併症を防ぐために」


Prevention of Complications in Endovascular Surgery


Masaki Komiyama


Osaka City General Hospital

Department of Neurosurgery


complication, functional vascular anatomy, endovascular surgery, stereoscopic view


脳血管内治療を安全に行なうためには、病変の解剖や病態などの把握が重要なことは言うまでもない.これには、画質とその読影能力が重要である.画質は、CTAやMRAで向上し、DSA装置もimage intensifierからflat panelに移行し、さらに向上した.


いくら画質が向上しても、知識がなければ、見えている血管も見えない.逆に高画質でなくても、この解剖の知識でカバーできるところも多い.DSAの立体撮影は特に有用であり、3DRAよりも情報が多い場合もある.これには新たな投資は不要である.


脳の動静脈において、全くなかった血管が、病変のため新たに出現することはない.既存の血管と何らかの関連がある.発生・進化の過程で出現・消退した血管の知識は、通常の脳血管の読影に有用である.


dangerous vesselと呼ばれる吻合は、dormant vesselであり、末梢神経を栄養する以外に、塞栓物質が意図に反し通過すれば、dangerous vesselとなるが、閉塞性疾患においては、有益な側副路となる.このdormant vesselは、動脈系では外頸動脈と内頸動脈・眼動脈・椎骨動脈の間にあり、静脈系では、海綿静脈洞と前正中橋中脳静脈、深部静脈系と横静脈洞の間(epsilon vein)などが該当する.より安全な血管内治療に機能血管解剖の理解の重要性を強調したい.


2009.5.11記


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