あなたにもできる、オスラー病の簡単診断!



といっても、科学的・医学的に診断してみましょう.


オスラー病の診断は、2000年に発表された臨床診断基準 [1] があります.

以下の赤字の4項目のうち3項目以上あれば、あなたはオスラー病です.遺伝子検査をしなくても診断の確定です.2項目では、オスラー病の疑いとなります.1項目以下では、オスラー病の可能性は低いです.


1.繰り返す、自然出血する鼻出血がありますか?

オスラー病の鼻出血は必ずしも大出血ではありません、月に1-2回、5分ほどで鼻出血が止まる場合もあります.


2.毛細血管拡張病変がありますか?

好発部位の皮膚や粘膜である舌・口唇・指の腹などに毛細血管拡張病変があるか下にある画像を参照しながらチェックします.画像と同じような病変があれば毛細血管拡張病変あり、となります.意外と自分でも舌や指の病変に気づいていないことがあります.


3.親・兄弟・子供にオスラー病と診断された人がいますか?(家族歴があるといいます).自分がオスラー病かどうかわからない段階で、オスラー病と診断されている御家族がいることはあまりありません.オスラー病は、親から50%の確率で顕性遺伝(以前は優性遺伝と言いました)します.これは、逆にあなたの御両親のどちらかがオスラー病であることを意味します.あなたの御両親のどちらかに、1にある鼻出血がある場合、また2の毛細血管拡張病変がある場合(ご両親の手指や舌を覗いてみましょう)は、御家族にオスラー病の患者さんがいる、に近い状態です.


4. 肺・脳・肝臓・消化管に血管奇形がありますか?この診断は、医師が画像診断をしないと血管奇形があるかどうかわかりません.肺はCTスキャン(子供は超音波検査をすることもあります)、脳はMR検査、肝臓は、超音波検査や造影剤を使ったCTやMR検査、消化管は、内視鏡検査が必要です.これらは、通常、オスラー病を疑った時スクリーニングとして行うことが多いです.


医師でない、あなたが自分でオスラー病かどうか診断する(疑う)のは、1、2、3の項目で判断します.3項目あれば、あなたのオスラー病は確定です.2項目で、疑いとなります.1項目の場合、オスラー病の可能性は低いですが、なんとも断定できません.いずれにせよ、医療機関で医師の診断を受けることをお勧めします.


以上、簡単オスラー病診断法、でした.


1. Shovlin CL, Guttmacher AE, Buscarini E, et al: Diagnostic criteria for hereditary hemorrhagic telangiectasia. Am J Med Genet 91:66-67, 2000.


オスラー病の舌の毛細血管拡張症


オスラー病の手指の毛細血管拡張症




2023.6.27 記載