肺動静脈瘻のYさんからの御手紙

 

一日中頭が痛い、薬も効かないし安静にしていてもとにかく頭が痛い。

呼吸がしにくくとても息苦しい。

おまけに、突然の鼻血が日に六、七回前後で全身異常なほどの筋肉痛、このような状態がだんだんひどくなり背中と胸の痛みが、増してきました。治す薬も無いし、手術も出来ないとの事。


肺動静脈ろう・・・遺伝性によるらしいです。母もこの病気で脳に血栓が飛び亡くなりました。突然の出来事でした。今同じ事が私の身の上に確実に起こりつつあります。(まったく同じ症状だし私も母のように逝くのかな・・)外出もままならず、不安な日々の中ある病院の先生から小宮山先生を紹介して頂きました。


わらおもつかむ気持ちと、何年も続いている苦痛で半ばあきらめの気持ちのふたつが揺れていました。

小宮山先生に診て頂き私の不安を吹き飛ばすように笑顔でまかせて下さい。大丈夫です。とおっしゃいました。


その言葉ですごく安心しました。私の中では小宮山先生のまかせての言葉から手術が始まっていました。

五ヶ所〜から六ヶ所の血管手術いよいよその日が来ました。


手術中の事でした。局部麻酔ですが、あいかわらず頭痛やら息苦しさに身の置き所がなく辛く思っていますと あれ、何、うそ、え、痛くない、頭、ほんと、息できてる、目がはっきり見える、涙があふれてきました。


その時の気持ちは言い表せません。ただ心の底からありがとうございます。

手術室での何人もの先生方や看護師さんたちの全神経が私を包んでくれている。それを感じながらの安心に包まれた手術の時間でした。

病棟の看護師さん達みなさんすごく優しい人ばかりでした。うれしかったです。

体の病気だけでなく、心まで治して頂きました。

小宮山先生本当にどうもありがとうございました。


2009.4.18.のメールから


主治医から:Yさんは、遺伝性出血性毛細血管拡張症(HHT)、いわゆるオスラー病による肺動静脈瘻がありこれによる呼吸困難のため来院されました.随分、以前に外科的に一部の肺を切除しておられ、通常の肺動静脈瘻の患者さんよりも呼吸の予備能がなく、その分、カテーテル治療の適応でした.


HHTの患者さんは、肺動静脈瘻がなくても、頭痛がよくあることが知られています.しかし、Yさんが、治療によって頭痛も、呼吸も改善したのは、私も驚きました.(いつも、患者さんが、病気の先生と思っているのはこのためです).鼻血の頻度まで、減ったのは不思議ですが、呼吸が楽になり、間接的に鼻腔を通る空気の刺激が減ったためではないかと思っています.


2009.4.19記


Top Pageへ