子供の脳梗塞

脳梗塞の多くは、高齢者に起こります.高血圧・糖尿病・高脂血症・心臓病などが原因であることが多いです.子供にも多くはないですが、脳梗塞が起こります.頻度は、非常に低いと思いますが、「稀」と親御さんに言うとびっくりされるので、「頻度は低いです」と言います.

 

日本には、もやもや病という病気があり、子供は一過性の脳虚血発作や脳梗塞で、大人も一過性の脳虚血発作や脳梗塞、または脳出血で発症します.脳神経外科医であれば、もやもや病の患者さんは診たことはあると思いますが、もやもや病を除いた他の原因の子供の脳梗塞の患者さんを診ることは殆どないように思います.私が25年間医師をしていて、恐らく軽く1万人以上の患者さんは診ているでしょうから、その中で相談を受けた症例を含めて子供の脳梗塞患者さんの数は、20例ですから、その頻度の低さは推測できます.成人と異なる原因であるため、診断・治療において、アプローチが異なります.

 

以前、脳梗塞になった九州の小学生の親御さんから、御相談を受け、もう一年以上経過し、その小学生は、元気いっぱいだと、お母様からメールを頂きました.家でのお手伝いの御駄賃で貯めたお金で買ったマグカップを送って頂き、今でも毎日病院でコーヒーを飲むのに、大切に使わせて頂いています.(ありがとうK君!).

 

2005.8.16記

 

この後、後日談があります.今年の1月に北九州、小倉で、脳血管内治療の勉強会があり、私は、「子供の脳血管内治療」のお話をさせていただきました.その懇親会(さすが下関の近くで、フグがいっぱい出ました)で、K君の主治医と会うことができました.世の中は狭いものです.九州の主治医も K君から送られたマグカップを使っていました.K君は、発症から2年経ちましたが、全く元気に、学校に通っています.そして、今では私のメル友です.

 

2006.2.26記

 

さらに、後日談が、追加になりました.K君は、この春から、元気な6年生になったそうです.お母様の朝日新聞への投稿原稿を別ページに載せました.

 

2006.4.8記





K君のうちの「めい」ちゃんです.我が家のわんこたちより精悍ですね.



2006.9.27記


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