オスラー病と脊髄動静脈奇形

オスラー病(HHT)に脊髄動静脈奇形(動静脈瘻)が合併する頻度は低く、オスラー病患者さんの約1%以下とされ、過去の報告も多くはないです.脊髄動静脈奇形を持つ患者さんの8%がオスラー病とされています [1].詳細な26例の報告 [4]では、年齢は平均10.7歳、38.5%が2歳以下、84.6%が18歳以下で、72%が男性でした.遺伝子のタイプの報告は少ないですが、HHT1が2例、HHT2が4例でした.脊髄動静脈奇形は、46.2%が出血で発症し、57.7%が対麻痺か四肢麻痺で発症しています.19.2%がくも膜下出血による頭痛で発症しています.病変は68%が胸髄レベルで、20%が頸髄レベルにありました.すべてperimedullary type(傍髄質タイプ)であり、95.8%に静脈瘤を伴っていました.逆にperimedullary type の脊髄動静脈奇形は、オスラー病が示唆されます [2].オスラー病において脳動静脈奇形のスクリーニングの適応はないとされており、より低頻度の脊髄動静脈奇形のスクリーニングが行われることはありません.しかし症候性となると重篤な障害を残すこと、適切な治療によりそのような障害が予防できることからオスラー病の家族のメンバーに対しては、生後6ヶ月前の子供に、MR検査をするべきとは書かれていませんが臨床神経学的検査(neurological examination)をするべきだと提唱する論文もあります [3].治療は、血管内治療が主流で、外科的治療もおこなわれます.



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1. Roman G, Fisher M, Perl DP, Poser CM: Neurological manifestation of hereditary hemorrhagic telangiectasia (Rendu-Osler-Weber disease): report of 2 cases and review of the literature. Ann Neurol 4:130-144, 1978


2. Mandzia JL, terBrugge KG, Faughnan ME, Hyland RH: Spinal cord arteriovenous malformations in two patients with hereditary hemorrhagic telangiectasia. Child’s Nerv Syst 15:80-83, 1999


3. Poisson A, Vasdev A, Brunelle F, Plauchu H, Dupuis-Girod S: Acute paraplegia due to spinal arteriovenous fistula in two patients with hereditary hemorrhagic telangiectasia Eur J Pediatr 168:135-139, 2009


4. Brinjikji W, Nasr DM, Cloft HJ, Lyer VN, Lanzino G: Spinal arteriovenous fistulae in patients with hereditary hemorrhagic telangiectasia: a case report and systemic review of the literature. Interv Neuroradiol 22:354-361, 2016


2016.8.9 記


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