148人のHHT患者さんの臨床像

今年の脳神経血管内治療学会の総会が、2015 11 19-21に岡山であり、オスラー病の患者さんについて発表します.


大阪市立総合医療センターで診察・加療を行なった148人の患者さんの検討です.



遺伝性出血性毛細血管拡張症(オスラー病)の臨床的検討


目的:遺伝性出血性毛細血管拡張症(HHT)の臨床的な特徴を検討する.


方法:当院のHHTのデータベースの後方視的検討.対象は、臨床的HHT確定症例または遺伝子検査

にてHHT関連遺伝子の変異があった148名の患者.男性76人、女性72人、年齢2-78歳(平均38.9歳)であった.END変異を持つHHT1患者74人、 ALK1変異を持つHHT2患者40人、SMAD4変異を持つ患者は0人で、既知のHHT関連遺伝子変異を認めないが臨床的HHT確定症例が14人であった.残る20人は、遺伝子検査を行っていない臨床的HHT確定症例であった.小児症例の一部を除き、少なくとも非造影の脳MRI/MRAと非造影の肺CTを行い、脳AVM/AVFと肺AVFのスクリーニングを行った.症例によって造影の脳MRIや造影の脊髄CTや肝臓のdynamic CTも行った.


結果HHT1患者74人、HHT2患者40人、全患者148人(結果の表示はこの順)で、鼻出血(71,37,141)、毛細血管拡張病変(46,32,97)、脳動静脈奇形・瘻(22,1,28)、肺動静脈瘻(48,8,80)、肝動静脈瘻(16,30,63)、消化管血管病変(11,11,31)が認められた.脳梗塞(15,0,17)、脊髄動静脈奇形 (1,1,2)、脳膿瘍(1,1,3)も認められた.


結論HHT患者では、高頻度で鼻出血が認められ、HHT1は脳動静脈奇形・瘻と肺動静脈瘻が多く、HHT2は肝動静脈瘻が多かった.肺からの奇異性塞栓症はHHT1に多かった.



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2015.11.4 記