COL4A1変異
COL4A1変異
COL4A1変異は、「IV型コラーゲンα1鎖」をコードする遺伝子であり、血管の基底膜障害 basement vascular membraneを起こす遺伝子変異で、最近注目されている.これにより小血管の閉塞や出血が起こる.脳と眼の病変を筆頭に、腎臓などにも病変を形成する.遺伝性の血管症、腎症、動脈瘤、筋痙攣、脳の小出血なども起こす.小児例では、出生前や出生前後の脳出血が知られる.小児の孔脳症や裂脳症との関連も知られる.先天性白内障、網膜動脈の蛇行、Axenfeld-Rieger奇形、眼奇形、網膜出血、痙攣発作、腎嚢胞も起こす.小児の脳出血はよく知られるが、どの年代に起こってもよく、成人でも認められる.脳出血の小動脈からの出血が多い.小脳症microcephalyも認められる.脳の白質の変化は、両側性、対称性が多い.頭蓋内の異常石灰化の報告もある.治療法は現在、存在せず対症療法が中心となる.高血圧や糖尿病と行ったrisk factorのコントロールが行なわれる.
参考論文
Gould DB, Phalan FC, Breedveld GJ, et al: Mutations in Col4a1 cause perinatal cerebral hemorrhage and porencephaly. Science 308(5725):1167-1171, 2005
Shah S, Ellard S, Kneen R, et al: Childhood presentation of COL4A1 mutations. Dev Med Child Neurol 54:569-574, 2012
2014.5.21 記